今でもあなたを愛してる
「おっ!茜ちゃん、お帰り~。」
「先輩!只今戻りました~!」
そう言って声をかけてくれた先輩らしき人の所へ向かった。
「その子が噂の美咲ちゃん?」
「そうで~す!」
美咲はプチパニック状態になり、ただただ2人を見ていた。
「美咲ちゃん、はじめまして。この部の部長してる菅原祐樹(スガワラユウキ)です。よろしく。」
「あっ…はじめまして。斎藤美咲です。」
「菅原先輩に昨日のムービー見せたからww」
「はぁ!?あんたいつの間に―――」
「細かいことは気にしなーい。」
(こいつっ!!!)
勝手に盗撮してたうえに他人に見せていた茜に怒りを向けていると――
「美咲ちゃん凄く歌上手いね。よかったらうちの部でヴォーカルやらない?」
「えっ?」
「私も絶対そうした方がいいと思う!折角の美声があるのに、何もしないなんて勿体ないよ!!」
「美声は言い過ぎ。」
「いや、茜ちゃんの言うとおりだよ。大袈裟なんかじゃない…。美咲ちゃんの歌声はプロにも勝る程の力がある。そのままにしておくなんて勿体ないよ。」
「……。」
そこまで言ってもらえて嬉しくないはずがない。
しかし、美咲は迷っていた。
『野球のマネージャーにならないか?』
(菅谷くん…。)