今でもあなたを愛してる
少女の過去
美咲は小学生の頃、地元の少年野球チームに入っていて、昔からスポーツ万能だった美咲は、男の子と一緒遊んでいた。
4番でピッチャー…
しかもかなりコントロールがよく、大会でチームを優勝へと何度も導いた。
美咲はまさに『ヒーロー』だった。
しかし、大きくなるにつれて『野球は男のスポーツだ。お前はプロになれない。』とチームメイトに言われ、野球をやめた。
その後も元から友達の少なかった美咲は、イジメをうけるようになった。
『女のくせに生意気なんだよ!!』
『なんでお前なんかが俺より成績残しているんだ!!!』
殴る蹴るの暴行をうけ、毎日痣を残して家に帰る。
妬み、嫉妬――
何でもできてしまう美咲はイジメの的になった――
監督は何度も声をかけてくれたが、チームには戻らなかった。
『私プロ野球選手になる!!』親に言ったその夢は、今まで共に戦ってきたチームメイトに崩された。
それ以来、『野球』からずっと避けていた。
忘れるために今はボイストレーニングに通ったり、興味があった『演劇』に進み、地元の劇団に入っている。
夢は二つ…『歌手』と『女優』になった。
「……野球なんて糞くらいだ…」
美咲はそう囁き教室を後にした。