今でもあなたを愛してる
そして彼女は気に入られた

油断大敵



「美咲ぃ~、行くよぉ!!」

「今行く~!!」


入学してから2ヶ月が過ぎ、美咲はクラスの人気者になっていた。


今は体育の授業使った道具を片付けている。

(係めんどくさっ)

そんな事を思いながら片付けていると

(…………。)

一つの硬式野球ボールが転がっていた。

(…………。)

数秒ボールと睨めっこをして

(……一投くらい…いいよね?)


―――――――――

グラウンドに向かって一礼をして

ゆっくり…ゆっくりと一番高い所へ向かった。

久しぶりに踏み締めた“そこ”は昔と何も変わっていなかった。

ただ…いるはずのキャッチャーがいないだけで、違和感を感じた。

「……ふぅ。」

一呼吸おいてまっすぐバックネットを見つめる。

大きく振りかぶり―――

投げた。


ガッシャーーン―――…!!!


「………くっ!」

後悔した。

一度捨てた夢をまた望んでいる自分がいる…。

また『野球したい』と思ってしまった。

(泣くな!…止まれ…止まれ…!!!)

そのままその場にしゃがみ込んでしまった。


そんな時――――


カシャン――…

「っ!?」



そこに居たのは…


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