今でもあなたを愛してる
「…美咲?」
「!?」
菅谷くんだった。
「どうしたんだよ…何処か痛めたのか?」
「……め…さい…」
「え?」
「……ごめんなさい…!!!!」
「っ!美咲!!!」
美咲はその場から逃げ出した。
(最悪だ…。よりによって野球部に入部した菅谷に見つかるなんて…!!)
野球部員ならば全く無関係な奴が…
ましてや女の私がマウンドに立ってピッチングしているなんて…。
許せるはずがない。
『マウンド』
そこは野球をやっている者誰もが一度は立って『投げたい』と思う場所だ。
認めて貰った者のみが立てる場所…
そんな場所に“女”がいたなんて…
――――――――――
気持ちを落ち着かせ教室に入った。
「あっ…美咲遅いよぉ~!何やってたの?」
「先生にこき使われてた。」
苦笑いしながら答えて何とか乗り切っって自分の席についた。
しかし…
ガラガラガラ―――
「!!」
菅谷くんが教室に戻ってきた。
カタン――
彼は何も言わず席についた。
―――――――――
帰りのSH(ショートホームルーム)が終わり、美咲はその場から逃げるように席を立った。
しかし…
「美咲」
「!!」
菅谷くんに引き止められた。