キスより先はお断り!
* 想いの裏側
「ここ、使っていいのかな……?」
そういえば、入塾したとき、不安になったあたしも悠里に聞いたっけ。
そうしたら、こういったんだよね。
「教室は教室だろ」
そのときは、不安もいっぱいあったから、頼れる年上の彼氏で本当によかった、って心底思ったんだよね。
「あれ?美波ちゃん?」
伺うように覗いてくる安堂くんの顔。
どアップに、思わずドキドキしてしまった。
「え、あ、うん、いいんじゃないかなっ…?」
良心と意地と、よくわからない感情がぐるぐる心をくすぶって、ごまかすようにテーブルに教科書を広げる。
小さな教室のせいで時計の針が進む音がやけに響き、緊張と罪悪感が手を震わせる。
そんなあたしを知らずか、安堂くんはまたマイペースにテキストを進めていた。
本当に、これでいいんだよね?
覚悟を決めて、歯を食いしばったときだった。
「おい、美波───!」
「ゆ……り…」
がちゃり、と扉を開けたのは、もちろん悠里なわけで。
でも、悠里も驚いたようだ。
そりゃそうだ、あたししかいないと思ったのだろうけど、今は安堂くんも一緒なのだ。
ぎゅうっと心臓が縮んだ気さえする。
「宮村先生……?」
安堂くんの声に、悠里もあたしもハッと我に返る。
「あ、安堂くん、誤解しないでねっ?あの、先生とはちょっと知り合いっていうか……」
お互い名前で呼び合ってしまったし、バレるわけにはいかないのだ。
そういえば、入塾したとき、不安になったあたしも悠里に聞いたっけ。
そうしたら、こういったんだよね。
「教室は教室だろ」
そのときは、不安もいっぱいあったから、頼れる年上の彼氏で本当によかった、って心底思ったんだよね。
「あれ?美波ちゃん?」
伺うように覗いてくる安堂くんの顔。
どアップに、思わずドキドキしてしまった。
「え、あ、うん、いいんじゃないかなっ…?」
良心と意地と、よくわからない感情がぐるぐる心をくすぶって、ごまかすようにテーブルに教科書を広げる。
小さな教室のせいで時計の針が進む音がやけに響き、緊張と罪悪感が手を震わせる。
そんなあたしを知らずか、安堂くんはまたマイペースにテキストを進めていた。
本当に、これでいいんだよね?
覚悟を決めて、歯を食いしばったときだった。
「おい、美波───!」
「ゆ……り…」
がちゃり、と扉を開けたのは、もちろん悠里なわけで。
でも、悠里も驚いたようだ。
そりゃそうだ、あたししかいないと思ったのだろうけど、今は安堂くんも一緒なのだ。
ぎゅうっと心臓が縮んだ気さえする。
「宮村先生……?」
安堂くんの声に、悠里もあたしもハッと我に返る。
「あ、安堂くん、誤解しないでねっ?あの、先生とはちょっと知り合いっていうか……」
お互い名前で呼び合ってしまったし、バレるわけにはいかないのだ。