キスより先はお断り!
ぱっぱと襟を正し、荷物を片手に教室の扉をガラっと引く。
「おい、みな──」
「センセイ、さよーならっ!!」
扉が閉まる寸前、微かに聞こえた呆れたような溜息に、怒りすら覚える。
怒りたいのはこっちのほうだ。
このセンセイ──もとい、この強引でルックスは極上のこのオトコ・悠里は、いわゆるあたしの彼氏。
ある日、学校のテストでタカをくくっていたあたしは大赤点をとってしまい、両親に大激怒された。
そんな時に、講師のバイトしている悠里がこの塾を紹介してくれた。
もちろん付き合ってることは、親にも秘密。
教壇に立てば、ワイシャツの襟を正し眼鏡をかけて先生モード突入。
教え方も丁寧だし、その端正なルックスもあってか女子からは絶大な人気を得ている。
「先生、教えてくださ〜い」
鼻にかかったような女の子からの質問も、
「ん?どれ?」
猫をかぶった悠里は、ふわっと包み込むように微笑む。
二人っきりの時は、こーんなに意地悪で、なによりも手が早いのに!!
「絶対に許さないんだから!」
暗くなった夜空に、ぐっと拳を握り誓うように叫んでいた。
すると、
「なんかあった?」
「わ、わわ、安堂くん!」
ひょっこり顔を覗き込んできたのは、隣の高校に通う安堂くん。
彼は同じ塾生で、その中でもあたしなんかとは月とすっぽんで成績優秀。
その上、肌はあたしなんかよりもツヤがあるようにみえるし、整った顔立ちはこの塾イチバンだと思う。
人当たりもいいし、必然的に有名人だ。
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「おい、みな──」
「センセイ、さよーならっ!!」
扉が閉まる寸前、微かに聞こえた呆れたような溜息に、怒りすら覚える。
怒りたいのはこっちのほうだ。
このセンセイ──もとい、この強引でルックスは極上のこのオトコ・悠里は、いわゆるあたしの彼氏。
ある日、学校のテストでタカをくくっていたあたしは大赤点をとってしまい、両親に大激怒された。
そんな時に、講師のバイトしている悠里がこの塾を紹介してくれた。
もちろん付き合ってることは、親にも秘密。
教壇に立てば、ワイシャツの襟を正し眼鏡をかけて先生モード突入。
教え方も丁寧だし、その端正なルックスもあってか女子からは絶大な人気を得ている。
「先生、教えてくださ〜い」
鼻にかかったような女の子からの質問も、
「ん?どれ?」
猫をかぶった悠里は、ふわっと包み込むように微笑む。
二人っきりの時は、こーんなに意地悪で、なによりも手が早いのに!!
「絶対に許さないんだから!」
暗くなった夜空に、ぐっと拳を握り誓うように叫んでいた。
すると、
「なんかあった?」
「わ、わわ、安堂くん!」
ひょっこり顔を覗き込んできたのは、隣の高校に通う安堂くん。
彼は同じ塾生で、その中でもあたしなんかとは月とすっぽんで成績優秀。
その上、肌はあたしなんかよりもツヤがあるようにみえるし、整った顔立ちはこの塾イチバンだと思う。
人当たりもいいし、必然的に有名人だ。
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