~your Love story~
恋の行方
「腹……減った 」
…………
家へ連絡をして事情を話すと、おばさんは快く迎えに来て、彼の家まで送ってくれた。
“沙木倉”
奏祐くんは、アパートで1人暮らしをしてるみたい。
キッチンの机に煮物のタッパを置くと、手を貸してベッドに座らせる。
持ってきた救急箱を開いて怪我の手当てをする。
「いっ……てぇ 」
口角の切れてる所が染みるみたい。
「すごく心配したんだからね。死んじゃったらどうしようかと…… 」
消毒薬をしまいながら、ふと彼に目をやると、伏せ目がちな表情で何かを考えているようだった。
「じゃあ、私帰るね 」
そう立ち上がろうとした時、ギュッと腕を掴まれた。
「なんで、こんなに優しくしてくれるの? 」
「えっ///それは…… 」
何でだろう。
気付いたら、ほっとけなかった。
どう答えたらいいのか分からなくて、私は黙ってその場を去った。
《26へ》