~your Love story~

放課後、私は言われたように体育倉庫裏へ向かった。


部活の人が、チラホラとグランドで運動や道具の準備をしている。

ほんとにこんな所にいるのかな。

少し不安に思いながら、倉庫の裏へ……


あれ?

裏ってどう行くんだ?

隣は駐車場のフェンスがあって塞がってるし、もう一回正門まで戻って裏から回って来なきゃ……


そう思っていると、倉庫とフェンスの隙間からコロコロとスーパーボールが転がって来た。


え……?

近付いてみると、人ひとり通り抜けられるくらいの空間がある。

その小さな隙間を通り裏へ出た。


「待ちくたびれた 」


小さな石垣に座りながら、浅香くんがキラッと笑顔をした。


「ココと渡り階段も穴場。この辺りなら知り尽くしてるよ 」


「さすが人気者だね 」


何気なくそう呟くと、浅香くんは少し寂しげな目で私を見た。




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