~your Love story~
放課後、言われたように校舎裏の渡り階段へ向かった。
全然ひと気がなくて驚いた。
「こっちこっち 」
そう階段から顔を見せて、浅香くんが手招きしている。
小走りで向かうと、階段を登る。
「意外と人いないんだね 」
「ココはもうあんまり使われてないから、誰も来ないよ 」
その言葉で、ドキッと胸が飛び跳ねる。
“2人っきり”
その空間を異様に意識してしまう自分がいた。
彼の左側に腰を下ろして肩を並べる。
ふと隣を見上げると、膝に頬杖を付いて遠くを見つめる横顔があった。
いろんな女の子たちに騒がれても、告白されても誰とも付き合わない浅香くん。
なのに、どうして私とはこうして会ってくれるんだろう。
《36へ》