~your Love story~
翌日、快晴の天気と裏腹に、私は女子たちの異様な視線を感じていた。
――最近、あの子と直斗が一緒にいるの見たよ。
――あり得ない! 沙木倉くんとも噂あるんでしょ?
――あの男たらし。
どこからか、そんな噂が立ち始めていた。
今日は早く帰れるから良かった。
ローファーを履いて下駄箱を出ると、校門の前に人の花道が出来ていた。
前から奏祐くんが、ブレザーのズボンに手を入れた格好で歩いて来る。
「久しぶり。ちょっと、いい? 」
みんな私たちに注目してる。
――なんで二股かけれるわけ?
――2人と仲良いなんて許せないぃ!
女の子たちが口々に話し出した。
私って、叩かれるような事してるのかな。
「てめぇら、見せもんじゃねぇぞ 」
奏祐くんがポツリと呟くと、周りの声がピタリと止んだ。
たった一言でみんなを黙らせるなんて、彼の存在感はすごかった。
それに、かばってくれたと思うと単純に嬉しかった。
ゆっくりと歩いてくると、私の肩を優しく抱いた。
「一緒に来て欲しい所があるんだ 」
《44へ》