~your Love story~

翌日、快晴の天気と裏腹に、私は女子たちの異様な視線を感じていた。


――最近、あの子と直斗が一緒にいるの見たよ。

――あり得ない! 沙木倉くんとも噂あるんでしょ?

――あの男たらし。


どこからか、そんな噂が立ち始めていた。


今日は早く帰れるから良かった。

ローファーを履いて下駄箱を出ると、校門の前に人の花道が出来ていた。

前から奏祐くんが、ブレザーのズボンに手を入れた格好で歩いて来る。


「久しぶり。ちょっと、いい? 」


みんな私たちに注目してる。

――なんで二股かけれるわけ?


――2人と仲良いなんて許せないぃ!


女の子たちが口々に話し出した。

私って、叩かれるような事してるのかな。


「てめぇら、見せもんじゃねぇぞ 」


奏祐くんがポツリと呟くと、周りの声がピタリと止んだ。

たった一言でみんなを黙らせるなんて、彼の存在感はすごかった。

それに、かばってくれたと思うと単純に嬉しかった。


ゆっくりと歩いてくると、私の肩を優しく抱いた。


「一緒に来て欲しい所があるんだ 」




《44へ》

< 42 / 65 >

この作品をシェア

pagetop