~your Love story~

「何だろう」と思いつつ、頷こうとした時だった。

再び周りが騒がしくなる。


「汚い手で触んなよ 」


突然浅香くんが現れて、肩に乗せられた手を掴み持ち上げた。


「久しぶり 」


そうニヤッと奏祐くんが笑った。


「悪いけど、麻里也は俺と帰るから 」


そう囁くと、浅香くんは私を引き寄せた。

どうしよう……なんでこんな事に……


「喧嘩はしないでね 」


急に不安になって奏祐くんを見ると、ふっと唇を緩めた。


「しないよ。じゃあ、また今度ね 」


そう言い捨てると、彼は花道の中へ消えていった。



私は初めて、堂々と浅香くんと肩を並べて歩いた。

いつもこそこそ会っていたのが嘘みたいだった。

今日は珍しく、街を歩いてお店へ入った。


「なんか、ごめんね。気付いたらあんな事言ってた 」


私は「ううん」と首を振る。

どっちが好きとか、一緒にいたいとか……もう分かんない。

自分がどうしたいのか分かんないよ。


BBBBB……

その時、携帯のバイブが鳴った。




電話に出る→《53へ》

気にしない→《49へ》

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