~your Love story~
それから私は、浅香くんと顔を合わせる前に学校を出るようになった。
直接病院へ向かうと、お見舞い品を抱えて病室を訪れる。
「林檎切ってあげるよ 」
ベッドの隣に座って、ナイフを滑らせる。
私が皮を剥く姿を、嬉しそうに見てる。
この習慣が日課になりつつあった。
「はい、あーん 」
「いいよ/// 自分で食うから 」
「手使えないじゃん。ほら、あーん 」
照れちゃって可愛いんだから。
林檎をパクリと頬張ると、「うめぇ」と声を弾ませた。
まだちゃんと告白してないし、されたわけじゃないけど、お互い薄々気付いてる。
好きじゃなかったら、毎日会ったりしないよね。
「ちょっと、トイレ行ってくるね 」
そう病室を出て、通路の先にある御手洗いへ向かった。
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