~your Love story~
「そうだ、電源切っておいたから 」
思い出したように携帯を見せると、通学カバンの中に入れた。
「じゃあ私は戻るから、後は2人でゆっくり話しな 」
気さくにそう話すと、お姉さんは病室を出て行った。
……………
お互いの間に、しばらく沈黙が流れた。
先に口を開いたのは奏祐くんだった。
「あいつと一緒にいたんだろ?邪魔して悪かったな 」
目線は斜め下を向きながら、落ち着いた口調で呟いた。
ゆっくりと首を横に振る。
「すごく不安だった。いつも無茶ばっかりして…… 」
じわっと涙腺が緩んでくる。
あれ、勝手に涙が……
「麻里也…ちゃん……? 」
驚いたように私を見ると、すぐにふにゃっとした笑顔に変わった。
私の肩を抱き寄せると、軽く頭をポンッと叩いた。
「ありがとな 」
その言葉を聞いて、余計に目の前が滲んだ。
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