ティアラ2
女ぎつねの微笑み
何も聞こえなくなる。風の音も、草木のざわめきも、ぜんぶ消えてくの。
時間が止まったような、そんな感覚。
「……」
「……」
そっと唇を離して、ただただ見つめあう。真面目な顔で、じっと。
「なに?」
「んーん」
恥ずかしいのかな? 照れ隠しにムッとするところが可愛いらしい。
にんまりするあたしから離れて、篤紀はまたペットボトルに口をつけた。
日陰にいるのに暖かい。
暖かくて、ちょっとくすぐったい。
あたしは彼の肩に頭を乗せて、意味もなく笑っていた。ゆっくり流れていく時間が心地よかったの。……なのにっ。
「…………」
突然、ブルブル鳴り出した篤紀の携帯電話。開いた画面を覗き込むあたしは、一瞬で不機嫌になる。
時間が止まったような、そんな感覚。
「……」
「……」
そっと唇を離して、ただただ見つめあう。真面目な顔で、じっと。
「なに?」
「んーん」
恥ずかしいのかな? 照れ隠しにムッとするところが可愛いらしい。
にんまりするあたしから離れて、篤紀はまたペットボトルに口をつけた。
日陰にいるのに暖かい。
暖かくて、ちょっとくすぐったい。
あたしは彼の肩に頭を乗せて、意味もなく笑っていた。ゆっくり流れていく時間が心地よかったの。……なのにっ。
「…………」
突然、ブルブル鳴り出した篤紀の携帯電話。開いた画面を覗き込むあたしは、一瞬で不機嫌になる。