ティアラ2
慌てて顔を背ける、あたし。

「…………」

だけど気になって、しばらくしてからまた彼を見た。

ほんと仲がよさそう。……あたしがここに来るまえから、ふたりはこんな感じだったのかな?

1ヶ月働いて、わかったことがあるの。

……認めたくないけれど、笹野京香は仕事もできる。人が面倒くさがることもすすんでやってるの。

だから、篤紀も彼女を信用している。なにかあると、いちばんに彼女の意見を聞きにいくんだ。……そして彼女も。


「……はぁ」

あたしだって早く慣れるよう、真剣に働いてる。

この前も「覚えるの早いね」って店長に誉められたんだ。

けれど、どれだけやっても追い付かない。先に入って、長く働いてる彼女には、全然……敵わないの。
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