ティアラ2
スーッと体の力が抜けていく。

「……そうですか」

あたしは頭のなかで連呼していた。どういうことどういうことどういうこと、って。


「アッキーも同じ時間に休憩だから」

あれは……本当にそう思っての言葉なのだろうか。できることなら、そうであってほしい。

けれど、あたしの考えは悪いほうへと向いてしまう。彼女は知っていたんじゃないか、って……。

モヤモヤした気持ちが胸に広がる。

30分後、持ち場へ戻ったあたしは、下唇を噛んで見つめていた。篤紀と肩を並べて控え室へと向かう……彼女の横顔を。



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