ティアラ2
「別に勝ち負けとかじゃないし。そういうのはふたりの問題だから、他と競わなくてもいいでしょ」

……大人びた言葉に聞こえるのは、彼女がパーマをかけたせいだろうか?

いや、違うと思う。あたしは最近、直子を年上に感じることがよくある。

これも、済ませた余裕から?

「なんかムカつく」

アップルティなんて頼まずに、同じストレートを飲めばよかった。……注文したものまで子供っぽく見えてしまうなんて。

スネるあたしに呆れたのか、直子はテーブルにひじをつき、開いていた雑誌に目を向けた。

「あたしたちはいま離れてるから。会えるときは……少しでもお互いを感じていたいねって気持ちから、そういう空気になったの」
< 12 / 527 >

この作品をシェア

pagetop