ティアラ2
「仲直りはしたの? 深町と」

「してない。だから、しようと思ったら邪魔されたんだよ」

あの女の策略で、あたしと篤紀はいまもギクシャク。篤紀とはずーっと、メールすらしてないんだから。

「でも、まだわからないんでしょ? ……笹野だっけ? その子が、休憩がずれていたのを知っていたかどうかなんて」

あ……店長こっち見た、なんて呟きながらも冷静に、彼女はあたしの愚痴に対応する。

「そりゃあ、はっきりとはわからないけれど……」

少しだけ声が小さくなってしまう。いつものことだけど、直子はなかなか味方になってくれない。

「でも、あの状況で……知らないなんてことはない。絶対、ずれることは聞いていたと思うよ」

だって、休憩で一緒になった竹下くんが言ってきたんだもん。

「京香にも相談したみたいだし、受注ミスは無事に解決はするらしいから、そんなに心配しなくても大丈夫だよ」って、違う理由で黙り込んだあたしに。

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