ティアラ2
「どうして、あなたがコーヒーを飲むのに付き合わなきゃいけないんですか? あたし、そんなに暇じゃ……」

偶然のように言ってるけれど、どうせ、いつもみたいにあたしの後をつけてきたんだろう。

ストーカーの相手なんかしてられるかっ!

トレイを引っ張って、突き放すように言葉を並べたとき、透吾はジャケットの内ポケットからある物を出してきた。

「……これって」

横長の黒い箱。表には金色の文字で「SCREEN」と書いてある。

「知ってるだろ? ロスで爆発的な人気を誇るブランド、スクリーンの新作カラー」

そう言って、透吾はアイスコーヒーを静かに飲んだ。
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