ティアラ2
幼なじみの直子は、高校で知り合った太一とつき合い、いまは遠距離恋愛をしている。

県外の大学を受験した彼を叱ることもなく、明るく見送った彼女。この間のゴールデンウィークは久しぶりに帰ってきたらしく、ずっと一緒にいたらしい。

……たぶん、そのときにしたんだと思う。

「あんたたちにも、自然とそういうときがくるはずだから……って何よ……」

ずっと下を向いていた彼女は、しらけた顔のあたしを見て、苦笑い。


「だーって、何を言われても自慢のようにしか聞こえない」

「自慢って……自慢ばっかのあんたには言われたくないわ」

プイッと顔をそむけると、直子はやれやれというかのような態度で、顔にかかる髪の毛を耳にかけた。
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