ティアラ2
けれど、ふとあることに気づいて、足を止めてしまった。

「……」

遠くなったファーストフード店を、じっと眺める。


「ふん」

なんかムカつく。なんか……イライラしてきた。

「決めた」

もう二度と、あの男の口車には乗らない。何を言われたって無視してやる。

「……なによ、わかったような顔して」

悔しい。自然と、素でいた自分が。

“そんな薄っぺらい皮は、すぐ剥がれるよ”

……透吾が言った台詞。

見透かすような目、挑発した態度。ムカつくし、イラッとするから、ついつい言い返したりして、ムキになるけれど……。
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