ティアラ2
混乱して頭を抱えるあたしに、控え室の鍵を持つ篤紀が声をかけてくる。

ぶつぶつ言いながら「うん」と返事をする、あたし。

妙な展開に頭がついていかない。

かばわれていたのに、疑われているような感覚だった。いや、あたかも犯人だと想定して話されていたような……。

「おい、早く……」

「あ、うん」

ドアを開けたまま、あたしが出るのを待ってる彼。

慌てて着替えるあたしは、荷物を出してロッカーの扉をしめた。

「お待たせ……って、何?」

さっきの空気を気にしながらも、うきうきしていたあたし。

最近、篤紀と気まずかったから、一緒に帰れることが嬉しかったの。……なのに。
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