ティアラ2
カツカツカツ。足音がいつもと違う。
立ち止まって、片方を脱いだ。
「あ」
知らない間に、ヒールのゴムがとれている。
「……」
ヒステリック、になってる?
こんなことにまでイライラしてる自分。
“悪く言わないでよ、あたしの彼氏”
直子に当たっちゃった。
悪く言ってたのは、あたしのほうなのに……。
「最低だ」
みっともないパンプスに、また足を通す。
不満ばかり言うから、直子は聞いたんだ。そんな男のどこがいいの、って。
なのにあたしは……。
「買ったばかりだし……ゴムだけ付け替えようかな」
あんなにブツクサ文句を言ってたくせに、ひとが篤紀を悪く言うと腹がたつの。
立ち止まって、片方を脱いだ。
「あ」
知らない間に、ヒールのゴムがとれている。
「……」
ヒステリック、になってる?
こんなことにまでイライラしてる自分。
“悪く言わないでよ、あたしの彼氏”
直子に当たっちゃった。
悪く言ってたのは、あたしのほうなのに……。
「最低だ」
みっともないパンプスに、また足を通す。
不満ばかり言うから、直子は聞いたんだ。そんな男のどこがいいの、って。
なのにあたしは……。
「買ったばかりだし……ゴムだけ付け替えようかな」
あんなにブツクサ文句を言ってたくせに、ひとが篤紀を悪く言うと腹がたつの。