ティアラ2
……数時間後。

「あれ絶対、美和ちゃんでしょ」

「やっぱお前もそう思う?」

「あぁ。あの子、普段から京香に対してきついじゃん」

「女の嫉妬って怖ぇぇ」

「ていうか、美和ちゃんってちょっと、コレだよね」


やな人間っているよね。普段はニコニコ愛想がよくても、影では何を言ってるかわからない。

「……」

通路の壁に隠れて、男子トイレから出てきたふたりを睨む。

「テング呼ばわりか」

グーにした片手を鼻先に置く、沢木くん。竹下くんも別人かと思うくらいの豹変ぶり。

ふたりとも、最初はあんなにちやほやしてくれたのに……ほんとあり得ない。
< 167 / 527 >

この作品をシェア

pagetop