ティアラ2
「そんな汚れた格好で、電車に乗るの?」

背後で囁いてくるの。

「聖葉の3冠も落ちぶれたもんだな。俺なら恥ずかしくて、乗れやしないけど」

がっかりしたかのような口ぶり。

「この時間帯、人が多いのになぁ」

そんなこと言われたら、気になるじゃない。

チラッと自分の服を見る。

「…………」

確かに汚い。

ワンピースの色……薄いピンクだから、汚れた部分がすごい目立つし。

雨水も染み込んでるから、汚れている部分を手ではたいても、砂しか落とせない。

「んー」

悔しくて、自然と口が尖る。

すると、いつのまにか隣にいた透吾が、耳元でつぶやいてくる。

「ま、ある意味、可愛いかもね。運動会が終わった小学生みたいで」

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