ティアラ2
「人は誰でも夢を持つ。大きさは、人それぞれだけどね。……そして、何かしらその夢で悩み、努力ってのをするんじゃないかな」

叶える叶えないは別としてね、と付け足し、車を走らせた透吾。

そのキリッとした表情はやっぱり22歳には見えない。

普段とは違う目をしているから、思わず「透吾も夢を持ってるのかな?」なんて考えてしまった。

「……」

あたしの夢ってなんだろう?

“綺麗になりたい”

“誰にも負けたくない”

“篤紀のいちばんでいたい”

日頃、そんなふうに考えてはいるけれど、はっきりした将来の夢っていうのは……ない気がする。

あたしはいつも突発的に目標を立てて、それに向かって努力してる。

「大きさはひとそれぞれ」だと透吾は言ったけれど、将来をきちんと考えていなかった自分が……少し恥ずかしい。
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