ティアラ2
気分よく2階のフロアを後にした。あたしは胸まである髪の毛を指先で遊びながら、軽い足取りで階段をおりていく。

「アリガトウゴザイマシタ」

「いえいえ、こちらこそ。うちの者がいつもお世話になって……」

センサーで流れるコンピューターの音声にも、機嫌よく返してみる。

気分はもう若奥様……なんちゃって。

「ん?」

壁に1枚の張り紙。

「アルバイト募集……あっ」

「イラッシャイマセ」

近づくと、センサーの範囲内に入ってしまったのか、突然ドアが開いた。

1歩、2歩と横へずれたあたしは、腰を曲げて募集内容を読み始める。
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