ティアラ2
ふうっと大きく息をつき、ワンピースを脱ごうとする。そのとき、突然……ガチャッとドアが開いた。

入ってきたのは、この家の長男「真」。4つ上のバカ兄貴。

「……」

何も言わず、当たり前のように侵入してきた彼は、手にした数枚のCDを部屋の棚にしまっていく。

「ちょっと」

黙って出ていこうとするから、引きとめた。

「なんでノックもなしに、勝手に入ってくんのよ? てか、ひとの物を黙って持ち出さないでよね」

ほんとこいつは……。

いい歳して、まだ高校のジャージで家のなかをうろうろしてるし。いつ見ても、ぼっさぼさの格好なんだから。

< 222 / 527 >

この作品をシェア

pagetop