ティアラ2
わかってほしくて
携帯電話を握りしめたまま、眠ってしまった。
起きてからもすぐに動く気になれなくて、いまもぼんやり画面を眺めている。
太陽の光でカーテンの色は明るい。
あたしは静かにぶら下がるピンクのストラップを見つめ、指先でぱちんとはじいた。
「……戻りたいな」
付き合い始めた頃に。
色褪せて汚れまでついた、ストラップ。
洗えば、もらったときのようにキラキラ輝くのかな?
そんなことを考えていたとき、手のなかがブルブル震えた。
電話を鳴らしてきたのは……。