ティアラ2
「じゃあ、今日から働くの?」

「うん。篤紀が店に言ってくれるみたいだから、軽く面接をしてって感じかな」

恋って不思議。

昨日のこの時間は、篤紀への不満や、別れるんじゃないかっていう不安で、胸がモヤモヤしていたのに……。

篤紀がちゃんとあたしのことを考えてくれていたことがわかった瞬間、世界が薔薇色に見えてくる。

「ふふ……ちょっとは我慢してくれよ」

「もうわかったから!」

思わず、また再現してしまった。

直子は「今日、それ10回目」とうんざりしているけれど、10回くらいじゃ足りない。

いまのあたし、そこを歩くみんなに言いふらしたいくらい、すごく幸せなんだもん。
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