ティアラ2
7時前。54分という中途半端な時間だから、流れる映像は見たこともないドラマの次回予告。特に話すこともなくて、あたしはそれをぼんやり眺めていた。
すると、透吾はテーブルにひじをつき、顔をテレビに向けたまま、たずねてくる。
「言ってみ? 何があったのか」
たったひと言だった。
けれど、こっちを見ずに囁くその態度が、いまのあたしにとってはとても安心できるもので……。
「彼氏と別れたの、さっき」
言うつもりなんてなかったのに、答えてしまった。透吾は少し間を置いてから、「ふーん」と素っ気ない返事をする。
再び、黙ったあたし。すると、彼はテレビに目を向けたまま、ぽつりとつぶやいた。
「なんで?」
なんとなく彼の耳の裏を眺めていたあたしは、その言葉で視線を落としていく。
すると、透吾はテーブルにひじをつき、顔をテレビに向けたまま、たずねてくる。
「言ってみ? 何があったのか」
たったひと言だった。
けれど、こっちを見ずに囁くその態度が、いまのあたしにとってはとても安心できるもので……。
「彼氏と別れたの、さっき」
言うつもりなんてなかったのに、答えてしまった。透吾は少し間を置いてから、「ふーん」と素っ気ない返事をする。
再び、黙ったあたし。すると、彼はテレビに目を向けたまま、ぽつりとつぶやいた。
「なんで?」
なんとなく彼の耳の裏を眺めていたあたしは、その言葉で視線を落としていく。