ティアラ2
通路へ出ると、向こうから男の子たちの笑い声が聞こえてくる。

「おはよう」

隣にいる篤紀は、近づいてくる彼らに笑いかけた。

「おー、アッキー」

「あれ、今日は6時入りじゃなかったっけ?」

こちらを見た彼らは、あたしも何度か見たことがある顔ぶれだった。

「あれ、篤紀の彼女?」

「うん。こいつ、うちで働くことになってさ。だから、今日は早めに入ったんだ」

高校時代から篤紀に会うため、TAMAKIに何度も通っていたあたし。彼らもあたしを知らないことはないだろう。

「これからよろしくお願いします」

頭を下げて、清楚にふるまった。

篤紀と話していた彼らは、嬉しそうな表情を浮かべたり、小さな声でポツリと「可愛い」なんてつぶやいている。
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