ティアラ2
ストップモーション
「鼻くそつけて、話しかけてくるんじゃねぇよ」
小学生時代、篤紀のこのひと言がきっかけで、あたしは学校が嫌いになった。男子にからかわれ、女子には陰で笑われる毎日。次第にあたしは篤紀を恨むようになり、彼にはたくさん嫌がらせをした。
中学の入学式でも、あたしは友達よりも早く篤紀のクラスを調べたの。大嫌いだからこそ、どこのクラスになったのかを知りたかった。……でもね、篤紀の名前はどこにもなかったんだ。
引っ越したと聞いて、周りには「せいせいしたわ」と笑っていた、あたし。でも本当は寂しかった。日々の生活に物足りなさまで感じていた。
親友の直子に言われても否定していたけれど、いま思えば……篤紀はやっぱり、あたしの初恋のひとだったと思う。