ティアラ2
ちゃんと好きだってことを教えてくれていたの。そう、あたしはいつだって、篤紀のいちばんだった。
あのときも……。
「住む場所は、お前んちの近くでもいいかなって思ってるんだ。……誰かさんは美容のために早く帰っちゃうからな」
弥生ちゃんの存在が気になっていることを、篤紀はちゃんと理解してくれていた。
ばかだ、あたし。
別れてから気づいたって遅いよ。
……ほんとばかだ。
「ちょっとそんなとこで寝てないで……暇なんだったら、モカの散歩に行ってちょうだい」
「…………」