ティアラ2
「ずっと前から、なんか見たことあるなぁて思ってたんだけど。もしかして、この子……聖葉の三冠じゃね? あの有名な」

さっき「竹下です」と挨拶してくれた彼は、目を大きく見開いて、篤紀に問いかける。

「あぁ……うん」

篤紀は首をポリポリかきながら、ぎこちなくうなずいた。

「え、マジで?」

「やっぱり! 前、新聞に載ってたよね?」

一瞬で、この場はあたしの話題で持ちきりになった。

そう、いまのあたしはちょっとした巷の有名人。

あたしが通っていた聖葉学園は、卒業生の何人かがモデルになったこともあって、毎年、文化祭でミスコンを開く高校だった。
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