ティアラ2
あたしはそこで、三年連続の優勝を果たした。そのせいで去年の秋は、県のテレビ局や新聞社から引っ張りだこだったの。

きっと竹下くんもそれを見たのだろう。

「すっげぇ、アッキー」

「どおりで可愛いわけだ」

ふふっ。久しぶりだわ、この感覚。やっぱり注目を浴びるって気持ちがいい。

だけど、篤紀は「はは」と苦笑いを浮かべるだけ。……なによ、もっと喜べばいいのに。

篤紀の態度にイライラした。

盛り上がる彼らに微笑みながら、あたしは心の中でブツクサ文句を言う。

そのとき、だ。
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