ティアラ2
文句を言い合う3人を眺めて、深いため息をつく。すると突然、すごい速さで白い何かが顔の真ん前に飛んできた。
「……おしぼり?」
壁にぶち当たって落ちたそれを手に取る。そして、投げたと思える相手を見た。

「ギャーギャーうるせえ」
透吾はテーブルにひじをつき、うんざりした目でこちらを見ていた。やっぱりこいつか、と呆れるあたし。

「だってぇ」
「わたしじゃなく、この子たちが」
「僕のせいにしないでくださいよ」
一斉に、言い訳をし始める3人。透吾は聞き耳も持たず、あたしに声をかけてくる。
「簡単に紹介してくから」

そう言って、彼はまだあたしと話していない人たちと目を合わせた。
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