ティアラ2
乾いた喉をお酒で潤す陽子さんを見つめながら、あたしは考えていた。
ずっと「なんであたしなの?」って思ってたけど、もしも彼女の言ったことが本当で、透吾があたしに何らかの可能性を感じてくれていたのなら……。
「頑張らなくちゃ」
2枚の名刺を眺めながら、つぶやいた。陽子さんも、うんと頷いてくれる。
「でも、いいですよね……ひとつのものをみんなでつくるって。全員が全員の力を信じてなきゃ、できないことだもの」
将来何をしたいのかをまだ決めていないあたしには、「夢」に対しての熱い思いを完璧に理解することはできないのかもしれない。でも、そんなあたしでもわかることはあった。
「……楽しいんだろうな」
ちょっとうらやましい。
あたしはいつも、自分に足らないものを見つけたら、それを克服する努力をしてきた。でもそれは、誰かと共有したものじゃない。だから、たどり着くまでの苦しみや失敗したときの悔しさ、そして達成したときの喜びは、自分だけのもの。
ずっと「なんであたしなの?」って思ってたけど、もしも彼女の言ったことが本当で、透吾があたしに何らかの可能性を感じてくれていたのなら……。
「頑張らなくちゃ」
2枚の名刺を眺めながら、つぶやいた。陽子さんも、うんと頷いてくれる。
「でも、いいですよね……ひとつのものをみんなでつくるって。全員が全員の力を信じてなきゃ、できないことだもの」
将来何をしたいのかをまだ決めていないあたしには、「夢」に対しての熱い思いを完璧に理解することはできないのかもしれない。でも、そんなあたしでもわかることはあった。
「……楽しいんだろうな」
ちょっとうらやましい。
あたしはいつも、自分に足らないものを見つけたら、それを克服する努力をしてきた。でもそれは、誰かと共有したものじゃない。だから、たどり着くまでの苦しみや失敗したときの悔しさ、そして達成したときの喜びは、自分だけのもの。