ティアラ2
頬にピリピリと痺れるような痛み。

「な……にすんのよ」
明日、撮影があるのに!

ムカついて叩き返す、あたし。
はたかれた頬に手を置く彼女は、ゆっくりあたしを見て、口を開いた。

「あんたに何がわかるっていうの!? 何もしてなくても選ばれるあんたに、何がわかるっていうのよ!?」
涙で滲んだ赤い目で、キッと睨みつけられる。

なんで泣くのよ、あたしから篤紀を奪ったあんたが……。
「わかりたくもないわ、あんたみたいな最低な女の気持ちなんて!」

泣きたいのはこっち。

「平気で嫌がらせをしたり、周りを騙してひとの彼氏を奪ったりするようなあんたに、何か言う資格なんてないわよ!」
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