ティアラ2
でも、涙は言うことを聞いてはくれなくて。溢れる後悔はため息となり、微かな声に混じって静かな部屋にこぼれた。


「おはようございまーす」
「おはよう美和ちゃん」
翌朝、リビングへ顔を出したら、陽子さんが朝食を作ってくれていた。

「わぁ……美味しそう」
小さな器に入ったハムとアスパラのサラダ。大きな皿にはフワフワしたスクランブルエッグと、サーモンのムニエル。そしてテーブルの中央に置いてある可愛いバスケットには、小さなクロワッサンがたくさん盛られていた。

「陽子さんって絶対、いい奥さんになりますよ」と話しかけたら、彼女は「ふふっ」と嬉しそうに微笑む。

「美和ちゃん、先に顔を洗いに行っておいで。歯ブラシは透吾が出してくれてると思うから」
「はーい」
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