ティアラ2
そのとき突然、ピカッと何かが光った。

「いいよ続けて」
再び、透吾はカメラを持って……。
「聞いてやるから、全部」
レンズ越しであたしを見てくれた。

圭太くんは慌てて、また彼のそばへいく。

「…………やだったの」
恐る恐る、話し出すあたし。
「嫌だったの……篤紀が他の子と仲良くするのが」

パシャ、パシャ、と音が鳴る。撮られることを意識して、声のトーンが下がった。

「怖かったんだろ? ……自分に自信がないもんな?」
ひどい言葉。透吾はまた、あたしを怒らせようとしている。だけど……。

「…………っ」
彼が言っていることは間違っていない。
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