ティアラ2
乾き始めていた頬がまた濡れる。

「自信がないから強がって、泣き顔をひとに見せたくないんだろ」

意地悪な彼は見逃さなかった、言われた言葉を受け入れるあたしの表情を。

「ほんとは弱いから、キャンキャン吠えてんだよな?」

……うるさい。

「えらそうなこと言ってても、本当は嫌われたくなくて。……ひとりになるのが怖い」

うるさい、もう言わないで。

「しんどいんだろ、彼氏がいなくな……」
「やめてよもう!」

聞きたくなくて耳を塞いだ。汗ばんだ手で何も聞こえなくなるように、しっかりと。
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