ティアラ2
「あぁ……あああぁっ」

憎たらしいのは透吾だけじゃない。あんなに想ってくれてたひとを追いつめてた……自分に腹がたつの。

目をギュッと閉じて、声が枯れるまで泣き叫ぶ。

頭上にまできていたカメラからの、眩しいフラッシュ。最後の光を浴びた後、あたしはギュッと抱きしめられた。

「ひとりじゃねぇよ」

グチャグチャになった顔をおおう体。

泣き続けた。透吾の胸の中、大声で叫びながら。



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