ティアラ2
そしてあたしも……。

「……」
撮影にひかえ、レンズを取り替えている彼をジッと眺めた。

「やめたっ」
見つめている自分に吐き気がしたから、目をそらし、気分を変える。
最近、あたしは自分の心に問いかけることがある。透吾との距離が縮まった気がするたび、あたしは彼が好きなのかなって思っちゃうんだ。

でも、好きとはまた違う気がするの。まだはっきりとはわからない。


「浴衣、用意しとけばよかったわね。もっと早く、花火があるってわかってれば」
「まぁ、いいじゃん。着崩れを気にせず動けるんだしさ」
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