ティアラ2
「何、それ……どんなポリシーよ」

なんだろ、手がブルブル震える。これは怒りから? ううん、怖さからなのかもしれない。

透吾は不満げに「はぁ?」ってつぶやくと、ため息まじりにこう言った。

「アイツは自分の身長を気にしてたから、モデルなんて真剣に考えてなかったはずだよ。……低いんだ、これくらいかな?」

透吾はあたしに、彼女の頭の高さを手で教えてくる。……その言葉で思い出したの。

“いいなぁ。あたしは背が低いし、全然可愛くないから……そういうの憧れる”

TAMAKIで初めて会ったとき、彼女はそうつぶやいていた。

「彼女……本当はなりたかったんじゃないの?」

口元が小刻みにピクピク動く。

「何言ってんだ、さっきから……」
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