ティアラ2
透吾は、あたしがTAMAKIで働いていたことを知らない。だから、あたしの話に出てきた「彼氏を奪った女」が自分の元カノだとは、これっぽっちも思っていないんだろう。
何も知らないんだから仕方ない。仕方ないけれど、きょとんとしたその表情を見ていると妙にムカついた。
「あんたのっ……あんたの変なポリシーであたしはっ!!」
「ちょ……痛いって。何? なんでキレてんの?」
「何それ!? 仕事に自分の女は使わない!? ふざけないでよ!! 彼女なら、撮ってあげればいいじゃない!!」
冊子を持ったまま、思いっきり透吾の胸を叩く。あたしの両手首をパッと掴んだ彼は、急に怒り出したあたしに驚いている。
「なりたかったんだよ……彼女は! 彼女はモデルになりたかったの!!」
グッと力を入れても透吾のほうが強くて、もう叩けない。あたしは訴えるように、彼女の本心を叫んだ。
何も知らないんだから仕方ない。仕方ないけれど、きょとんとしたその表情を見ていると妙にムカついた。
「あんたのっ……あんたの変なポリシーであたしはっ!!」
「ちょ……痛いって。何? なんでキレてんの?」
「何それ!? 仕事に自分の女は使わない!? ふざけないでよ!! 彼女なら、撮ってあげればいいじゃない!!」
冊子を持ったまま、思いっきり透吾の胸を叩く。あたしの両手首をパッと掴んだ彼は、急に怒り出したあたしに驚いている。
「なりたかったんだよ……彼女は! 彼女はモデルになりたかったの!!」
グッと力を入れても透吾のほうが強くて、もう叩けない。あたしは訴えるように、彼女の本心を叫んだ。