ティアラ2
何がポリシーよ。この前、あたしに「付き合うか?」って言ってきたくせに。

「……ざけないでよ。そんな薄っぺらいポリシーのせいであたしはっ!」

喉が渇いて声が枯れた。叫び疲れて、あたしはぐったりと体の力を抜いていく。

すると「ワケがわからない」って顔で話を聞いていた彼は、ゆっくりあたしの手首をはなし……しばらくしてから、こうつぶやいた。

「見せたくねぇじゃん。……好きな女の魅力、他の男になんか教えたくねぇし」

ポリポリと、親指の爪で鼻をかきながら。

「はぁぁああっ!?」

まさかのひと言。呆れたあたしは、表情をめいっぱい歪めて聞き返す。

「何それ……そ、そんな……」

そんなくだらないポリシーで……って、そんなのポリシーでもなんでもないじゃない。ただの独占欲でしょ。
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