ティアラ2
「……ちっちゃい」

「ちっちゃいって言うなよ! 忙しくてなかなか会えないから、俺だって……不安だったんだよ。仕事してる間に他のオトコが寄ってきてんじゃねぇかな、って」

あたしの手から冊子を取って、中を開く彼。わざわざ「可愛いだろ?」と見せてくる姿にガクンとした。

「それ言った?」

「え? それって……何?」

「その気持ち、彼女にちゃんと言ったの?」

モデルになれない理由も、仕事をしているときの不安も、ちゃんと聞かなきゃわからないオトコゴコロだと思う。

気まずそうな表情を浮かべた彼は、あたしから目をそらしポツリとつぶやいた。

「言えるわけねぇじゃん、そんなダサいこと」

「……だろうな、と思った」

「でも……こうやってアイツの写真は撮ってたし、ひとりのときも……たまに見てたし」
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