ティアラ2
篤紀ははっきりと、その言葉を口にした。
「……っ」
ホッとしたあたしはドアから耳を離し、数回の深呼吸をした。動かずに聞き耳をたてる透吾は、安心したあたしににんまり微笑む。
そうだ、まだ解決はしていない。
いまがいいタイミングだ、と思ったあたしはドアノブに手をかけて、中に入ろうとする。だけど、手首をひねろうとしたとき、彼女の声が聞こえてきたの。
「百瀬さんのこと、まだ好きなの?」
重たげな口調。篤紀の返事が気になって、あたしはドアを開けずに続きを待つ。
数秒、篤紀は黙っていた。
「…………」
あたしってほんとバカ。なんで安心なんかしたんだろう。笹野京香がふられても、篤紀の気持ちがあたしに向いたわけではないのに。
流れる沈黙が彼の答えなのかもしれない。あたしはドアに額をつけてうつむいた。
「……っ」
ホッとしたあたしはドアから耳を離し、数回の深呼吸をした。動かずに聞き耳をたてる透吾は、安心したあたしににんまり微笑む。
そうだ、まだ解決はしていない。
いまがいいタイミングだ、と思ったあたしはドアノブに手をかけて、中に入ろうとする。だけど、手首をひねろうとしたとき、彼女の声が聞こえてきたの。
「百瀬さんのこと、まだ好きなの?」
重たげな口調。篤紀の返事が気になって、あたしはドアを開けずに続きを待つ。
数秒、篤紀は黙っていた。
「…………」
あたしってほんとバカ。なんで安心なんかしたんだろう。笹野京香がふられても、篤紀の気持ちがあたしに向いたわけではないのに。
流れる沈黙が彼の答えなのかもしれない。あたしはドアに額をつけてうつむいた。