ティアラ2
ほら、また始まった。最近はこれで喧嘩ばっかり。

こうなるのが嫌で、さっさとできるようになりたいから、今日も「しよっか」って言ったんだよ。

……篤紀のことは大好きだし、ひとつになりたいって気持ちもちゃんとあるから。

でも、身が引きちぎれるくらいの傷みが襲ってきて、我慢すれば冷や汗も出るし、自分が自分でなくなる気がして怖い。

「……痛すぎて、口からポロッと出た言葉でしょ」

「下手くその次は、くそったれですか」

「もう! この前のことまで持ち出さないでよ!」

ほんっと執念深い男。あーあ、もう帰ろっかな。

< 5 / 527 >

この作品をシェア

pagetop